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大学の学費はどこに使われているのか?財務から検証|京都大学の場合

僕は現在、大学に通っていますが、毎年かなりの額の学費を支払っています。学費は授業料とされていますが、大学の授業にそこまでの価値があるのか疑問を持つ人も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、僕の通っている京都大学を例に、収入と支出が書かれている財務諸表を分析してみて、どこにお金が使われているのかをはっきりさせ、学費が授業料として適切なのかを考えて見たいと思います。

国公立大学の学費はいくらか

そもそも大学生の学費がどれくらいなのかを説明したいと思います。学費は大きく分けると3つで、授業料入学料検定料の3つになります。

授業料は年間の授業に対する料金、入学料は学部や院に入るときに支払う料金、検定料は試験を受ける時の料金となっています。

京都大学の公式HPから、かかる費用を表にしたので以下に示します。

授業料年額 入学料 検定料
学部生 535,800円 282,000円 17,000円
大学院生 535,800円 282,000円 30,000円
法科大学院 804,000円 282,000円 30,000円

まとめると、以上の通りでした。国公立大学の学費の特徴は、基本的には文系・理系などの学部にかかわらず学費が変わらないと言う点でしょうか。

法科大学院(法学部の院)だけ授業料が高いのには驚きました。調べてみたところ、京都大学の法科大学院は、厚生労働省の運営する教育訓練給付制度の専門実践教育訓練講座というものに指定されているらしく、その辺りが関係しているのかもしれません。

大学に通うことで、学費はいくらになるのかを計算してみたいと思います。

まず、大学を4年で卒業し、院には行かなかった場合。

この場合は全部で、2,442,200円となり約250万円となります。

次に、大学を4年で卒業後、院に2年通った場合。

この場合は全部で、3,825,800円となり約380万円となります。

計算してみるとなかなかの額になることがわかりますが、このお金がどこに使われているのかを調べていきます。

財務諸表から収支を分析

では、大学の財務諸表を見て、収益と支出がどこからきているのかを分析していきたいと思います。

今回は2016年度の京都大学の決算を対象にしました。公式HPにアップロードされている、Financial Report 2016 – 京都大学と、平成28事業年度 財務諸表から分析をしていきます。

まず、支出が下の表になります。(全て単位は千円です)

支出合計は約1600億となっています。

次に、支出を見ていきます。色のついている部分が、先ほど説明した学費の部分です。

収益の合計も、支出と同様に約1600億となっています。支出全体の額と収益全体の額がほとんど同じなので、支出と収益のそれぞれの割合を比較することで、かかる金額も比較することができます。

このうち学費国からの補助金割合を知るには、次の収益と支出の円グラフがわかりやすいと思います。

 

()内は前年度の数字

これを見ると、学費を示す授業料収益等は、収益の8%に過ぎないことが分かります。

また国からの補助金を示す運営費交付金収益33%となっており、収益の3分の1が補助金によるものだと言うことがわかります。

ただ、ここで注意しておくべきは、大学病院の収支も含まれていることだと思います。

病院の収益を示す附属病院収益は21%、支出を示す診療経費は15%となっていて、収支ともに大きな割合を占めています。

学費は授業料として適正価格なのか

では、学費が授業料として適正価格なのかを考えていきたいと思います。

授業料は人件費として教授に支払われます。先ほどの支出の表を見ると、人件費の中でも、教員人件費職員人件費があります。ここでは教員人件費を授業料と考えることにします。

教員人件費は約390億円となっていて、これは支出全体の25%程度です。

これだけ見ると、学費が8%に対して、教員人件費が25%とかなり高いです。補助金のおかげで安く授業を受けられているとも考えられます。

ですが、教員のほとんどの本職は研究です。これは概算ですが、週5日の出勤に対して、1日分を授業にあてたと考えてみます。

すると、授業に当たるのは5分の1の5%となり、学費の割合を下回ります。すなわち、授業を受けているだけでは、学費で払った分を取り返せていないことになります。

大学の設備を活用しよう

では、どうすれば学費で払った分を取り返せるのでしょうか。それは、大学の設備を目一杯活用することだと思います。

理系の人は、文系の人に比べて分かりやすいのではないでしょうか。なぜなら大学に置いてある設備は数千万円とかかる機器も多いからです。

これらの設備を活用して、しっかり研究をやれば、払った分の学費に価値があるものになると思います。

文系の人も、大学にしかない貴重な資料を利用したり、大学にしかない人脈を築くことで学費を無駄にするのを避けられます。

大学は無駄だと言われ始めてきた時代です。ですが、せっかく大学に入ったからには大学をフル活用していかないと、学費の分を取り返せないし、もっと大学の活用できる部分を探していきたいと言う話でした。

僕は理系なので、院に入って研究を頑張りたいと思っています。

ではまた次回。