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前田祐二『人生の勝算』から読み解くエンタメ3.0|次世代のエンターテイメントへ

『人生の勝算』には、著者の前田裕二さんが考える、これからのエンターテイメントのあり方、エンタメ3.0について、丁寧に書かれています。今回は、エンタメ3.0とはどういうものなのかを、自分の考えを交えて紹介していきたいと思います。

前田裕二は若い起業家

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以前、SHOWROOMの記事でも書いたのですが、前田裕二さんはSHOWROOMの創業者です。

1987年生まれ、つまり2018年現在では30歳で、若い起業家として注目されており、これからの活躍が期待されています。

NewsPicksBookとは

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人生の勝算は、2017年6月にNewsPicksBookから出版されました。

NewsPicksBookは、NewsPicksというニュースメディアと、幻冬舎という出版社がコラボしてできた出版元で、2017年の4月から1ヶ月に一度、ビジネス書を中心に出版しています。

NewsPicksBookには、堀江貴文さんの「多動力」や、落合陽一さんの「日本再興戦略」などもあって、最近では一番勢いのあるビジネス書の発行元だと言えます。
幻冬社箕輪厚介さんが編集長に就いていることも有名な理由のひとつです。

人生の勝算のあらすじ

人生の勝算は2017年に出版された本ですが、前田裕二さんのこれまでの生き方、そして彼が今後どうしていきたいのかを書いた本です。

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幼少期のショックな思い出から、証券会社で必死に働いて結果を出し続け、日本に帰りSHOWROOMを立ち上げるまでのストーリーが、詳細に描かれています。

その中でも読者にとって衝撃的なのは、証券会社時代の働き方でしょう。

毎日、3時間程度しか睡眠を取らず、朝5時半には会社に行って夜遅くまで働き続けていたそうです。

大抵の読者は、「自分にはこんな働き方はできない、ここまでやらなければ成功できないのか」といった意見を持つことになると思います。

つまり、この本を読んだ感想のほとんどが、「前田裕二はすごいなぁ」となってしまっているのではないかということです。

ですが、この本において注目すべきなのは、前田裕二さんが思い描くこれからのエンターテイメントのあり方だと、僕は思いました。

エンタメ3.0ができるまで

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これまでのエンタメとは違うエンタメのあり方、これを前田さんはエンタメ3.0と呼んでいます。
エンタメの第一世代は、モノを売ることです。例えば、CDや本などがこれに当たります。消費者が実際にあるものを購入してエンタメを楽しむというのは今もある基本的なことではあります。

ですがテクノロジー、とりわけインターネットの発達によって、コンテンツが複製可能になり収益モデルが成り立たなくなってきました。

そこで出てきたのが、第二世代のエンタメで、コトを売ることです。例えば、ミュージシャンがライブを行い、消費者はこれに参加することで、楽しい体験を得ることができます。

そして、前田さんが唱えるエンタメ3.0は共感を得ることです。インターネットの発達により、大量のコンテンツが生まれ、消費者はその中から自分の好きなコンテンツを選べるようになりました。

その中から本当に好きな人やものに対して、消費者は自ら積極的にお金を支払い、相互に関わりながらよりよいコンテンツを生み出していく。
これがエンタメ3.0です。

エンタメ3.0によりできるようになること

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コンテンツを作る人と、消費する人が密接に繋がることがエンタメ3.0の肝になります。そうすることで、作る側と消費する側の区別がどんどん曖昧になっていき、コンテンツのありかたが、消費者にとって自分ごとになっていきます。

自分ごとにするというのは、キングコング西野さんがえんとつ町のプペルを作る時に使った手法で、『革命のファンファーレ 現代のお金と広告』という本で詳しく書かれています。

以前のように、国を代表するアイドルをみんなで浅く支えるのではなく、もっと少数の人が深く支えることで、小さな経済圏がたくさん生まれます。

それによって以前より長いスパンで、所属欲求や承認欲求が得られるのがエンタメ3.0の良さです。

エンタメ3.0で大事になること

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エンタメ3.0においては、深いコミュニティを作ることが大切だと書きましたが、そのために重要な要素を本の中で5つ挙げられています。
・余白の存在
・クローズドな空間で常連客ができること
・仮想敵ができること
・秘密やコンテクスト、共通言語を共有すること
・共通目的やベクトルを持つこと

余白とは完璧でないこと

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この中でも、以前の考えと大きく異なるのは余白の存在です。余白というのはすなわち、完璧ではないことです。

これまでは完璧な人間を、そうでない人々が憧れるという模式図が普通でしたが、これからは部分的に弱い人間を人々が支えていくという模式図が一般的になっていくと書かれています。

このような変化にも、インターネットが大きく関わっています。インターネットの発達により、不特定多数の人と広く浅く繋がれるようになりました。しかし、近所付き合いなどの昔からの深い繋がりが少なくなり、皆、孤独を感じている傾向があります。

それは同じNewsPicksBookの『WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE.』に詳しく書かれています。

だからこそ、共感などの他者との深い繋がりを人々はインターネット上に求めるのです。そして共感は、余白のある人間に対して感じやすいものです。

弱い人間の方が、支えがいがあり応援のしがいがあるからです。それが共感を生み、現状で欠けている個人の欲求を大きく満たすことにつながります。

他者との繋がりを求める人々

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最近では、オンラインサロンというものも話題です。若者の間で有名なところだと、箕輪編集室ゆうこすアップデートサロンなどでしょうか。

オンラインサロンには、なぜお金を払って仕事をしにいくのかという批判が多々ありますが、他者との深いつながりを求めていると考えれば納得がいく部分があります。

エンタメ3.0を考える上で、オンラインサロンがどう運営されているのかに注目してみるのも良いかもしれません。

まとめ

エンタメ3.0は以前よりも広い定義のエンターテイメントですが、まだまだ伸び代が残っていて、これからの世の中を考える上で重要なポイントになってくると思います。

まだ読んでいない方は、前田祐二さんの『人生の勝算』をぜひ読んでみてほしいなと思います。

Amazon Prime会員になれば、Kindle版を無料で読むことができるので、そちらに登録して読んでみるのもいいと思います。

ではまた次回。